「一期一会」と「未完の美学」
目黒雅叙園「いけばな×百段階段」に行ってきました。
なかでも印象的だったのは、70階段ちかくにある「星光の間」で、
欄間、襖絵には、四季の食材や草花が施されています。
板倉星光が岩絵具で描き、88年前から色褪せず当時のままだそうで、
幻想的で美しい空間で、いけた人の技術と心によって、
旬のお花に新しい命が吹き込まれる瞬間に、一期一会を感じます。
88年前、現代、この花、この瞬間が、同じ空間にあることがとても
不思議で、愛おしく感じました。
百段階段は、実は99段までしかありません。
諸説はあるそうですが、
「未完の美学」
完璧な数字より、まだ良くなる余地を残して99段に
発展性のある数字にしたのだとか。
日本の家屋には、人目のつかない場所に、
あえて未完の場所をつくる験担ぎもあったそうです。
まさに「験担ぎ」も、99段にとめている諸説のひとつで、
昔、奇数は縁起の良い数とされ、奇数の中でもこれ以上ない数字9を
二つあわせ、99段となったということです。
撮影は禁止されているので、
枝で逆さ富士を表現した、繊細でダイナミックな作品も、
瑞々しい香りも、木漏れ日も、心に刻みました。
鑑賞のあとは、雅叙園内の旬遊記さんで中国料理を楽しみ、これまた幸せ〜(^^)