案内のタイミング
リピートしている大好きなお店を思い浮かべると、
そこには「小さなありがとう」がたくさんあります。
反対に、「小さな違和感」「小さな不快」が重なるお店は、自然と足も遠のきます。
居心地の良さも、悪るさも、そんな「小さな」ものが重なっていると思うのです。
ある8月の猛暑、海外のビールを中心に扱う、バーに立ち寄りました。
扉を開けて一瞬「モアっと暑いな〜」と感じたものの、
暑さの中を歩いてきたからかなと、勧められる席に座りビールを注文。
店内には、手で仰いでいるお客さんもいるほど、やはり、かなり暑い。。
飲みものが出てきた際に
「空調を少し下げてもらえますか」と頼むと
店員さんは、汗だくでやや不機嫌そうな表情で
「空調、今日、壊れちゃったんですよ」と一言。
・・・入店時に言ってほしかった。…>_<…
すぐに一杯のんでお会計を頼むと
「ありがとうございました」の一言。
「流れ」を無視したマニュアル通りの応対に違和感を感じました。
もし、
「今日は、空調が壊れてしまって、ゆっくりお過ごしいただけずに申し訳ございません。
また、是非、お待ちしております。ありがとうございます!」など
そんな一言があれば印象も違ったかもしれません。
最初に案内するだけでなく、
快適さを提供するうえでは、臨時休業することも一つだったのかもしれません。
アクシデントはしかたのないことですが、
同じ状況でも対応ひとつで印象が全く違います。
あるファミリーレストラン入ると、大学生くらいの男性が、小走りでこちらへ来ます。
「申し訳ございません!本日、空調が壊れてしまいまして、
このような状況でもよろしければ、お入りいただけるのですが、
店内はとても暑いので、いかがいたしましょうか・・
少し店内に入っていただいて、決めてもらっても結構です・・」と
一生懸命伝え、選択肢をくれました。
「長めに打ち合せをしたいので、また改めますね」と店を後にしましたが、
とても、親切で気持ちが伝わる対応でした。
接客は、心(ベクトルの向き)が、形(接客)に表れます。
ベクトルとは、「お店都合の矢印」か、
「お客様視点の矢印」かです。
マニュアルの暗記には限界がある。
100のテクニックの暗記より、心の向きを1つ変えるだけで、
お客様に届くもの、響くものは格段にあがると思うのです。